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デザイナー丸山敬太ーー なぜ今、自身のアーカイブから作品を生み出したのか

<KEITA MARUYAMA>LIFE is BEAUTIFUL


2018.5.14 mon - 5.22 tue 開催中!
伊勢丹新宿店本館4階=センターパーク/ザ・ステージ#4
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5月14日(月)より、本館4階=センターパーク/ザ・ステージ#4で<KEITA MARUYAMA(ケイタ マルヤマ)>のポップアップイベント「LIFE is BEAUTIFUL」を開催しています。

2018年春夏シーズンの新作に加え、このイベントのために過去のアーカイブを紐解き、新たに生み出したアイテムなども登場。

今季のクリエーションやアーカイブに着目した理由などを丸山敬太さんにうかがいました。

コンサバティブとは永遠性。それを今季コレクションで表現したかった

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ーー今季のシーズンテーマである「LIFE is BEAUTIFUL」。ストレートなメッセージですが、どんな思いが込めましたか?

日本のファッションだと別の意味で独り歩きしているけど、僕はコンサバティブを保守的とはとらえずに、永遠性のあるものとして解釈しているんですね。永遠性の中での洋服はどういう位置づけかと考えた時、人生や日々の暮らしをより美しく輝かせるためのもの。人を輝かせるための洋服は上質であること。そういうことを表現したくって、ド直球な「LIFE is BEAUTIFUL」というタイトルをつけました。

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ーー丸山さんはデザインする前にコレクションのストーリーを考えられますよね。今回はどんな女性に着てほしいとデザインしましたか?

不特定多数にものをつくるのが苦手で。ものづくりを始めた当初から毎回、その時に気になっているワードや感覚を拾い集める作業から始めます。そういうイメージワードの集積からどんな人が、どんな風に、どんな気持ちで着る服なのか、ということを1本の映画を撮影するみたいにイメージしていきます。

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今回はまずエレガントであること。そして、すごい具体的なんですけど、子どもが一人生まれたばかりで、素敵なプールサイドに鮮やかな花が咲いていて、女友達とお茶をして健やかで。そんな幸せな瞬間をファッションとともに楽しんでいる人を妄想しています(笑)。

刺しゅうにパッチワーク、手がかかっている服の贅沢さ

ーー<KEITA MARUYAMA>といえば、花柄と刺しゅう、パッチワークが象徴的です。花柄への思いから教えてください。

柄を身にまとう行為には日本の着物文化が根底にあると思っていて。着物は四季を大切にするし、季節の花柄をまとうってすごく美しいじゃないですか。春だから桜の柄が着たいなとか、そういう気持ちで毎シーズン花柄のアイテムをつくっていたら、シグニチャーになった部分があるのかもしれませんね。

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ーー刺しゅうへのこだわりは?

絵画的表現で僕の感覚を表現するには、手刺しゅうが一番合っているんですよね。刺しゅうに限らず、織りや編みも人の手がかかっている贅沢さは唯一無二。人の手がかかっていることが、量産の服との区別化にもなっていると思います。

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ーーパッチワークも敬太さんの初期コレクションからよく見られる技法です。パッチワークがお好きな理由を教えてください。

パッチワークは好きというより、必然的に生まれたもの。学生の頃、こういう生地がほしいと考えていても自分でつくることってできなかった。そんな状況でもオリジナリティを出したい時にあった技法が刺しゅうとパッチワーク。

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オリジナルの生地はつくれないけれど、生地にいろんな要素を盛り込みたい時にパッチワークをすれば、その辺の生地でもオリジナリティが出る。ものすごい手間がかかるんだけど(笑)、ミックスするのが好きなんですよね〜。初心に戻るという意味も込めて、<KEITA MARUYAMA>の新しい会社の名前もパッチワークスにしました。

アーカイブは自分の作品であって自分の作品ではない感じ

ーー今回のイベントで過去のテキスタイルにフォーカスした理由を教えてください。

着物ってお母さんから娘さんへ引き継がるじゃないですか。自分の服もそうなってほしい気持ちがあって、デビュー当時から受け継がれる服をつくりたいと言い続けてきました。

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ブランドを始めて23年、最近やっとそれが形として見えてきたんですよね。「15年前の服なんです」とか「自分は着れなくなっちゃったけど、娘が着ているんです」とか。いろんなお声をいただくなかで「昔の柄がもう1回着たい」とか、若い世代の子が「これ、今ないんですか」って言ってくれることも増えて。新しいことばかりがファッションではないので、アーカイブから自分の今のフィルターで引き出していくのはおもしろいかな、と思ったからですね。

ーー23年のアーカイブから探し出す作業はどういう気持ちでされましたか?

懐かしいよりは、5年前までは恥ずかしかったけれど、今見るとすごくいいって感じる作品もあって。ミュージシャンにしろ、アーティストにしろ、クリエーションって最初の3年くらいに凝縮されていると思うんです。そこから先は凝縮されているものの中から生まれた変化があって、そういう時代の作品は、自分の作品であって自分の作品ではない感じ。インスパイアされることもあります。時と場合によって見え方って変わりますね。

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ーーアーカイブの再生は、通常のクリエーションとは異なるアプローチですか?

アーカイブの再生はノリとテンション(笑)。「今だったら、この生地とこの生地とこの生地でパッチワークだね。(スタッフに向かって)パッチワーク、できるの? あ、できるんだったらやろうか」みたいな感じで。

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いろんな時代のいろんな素材をピックアップしてスカートやチャイナドレス、御朱印帳にクッションもつくっています。つくったものをバーッと眺めて、今の自分の気持ちはこうなのか、って腑に落ちることはありましたね。

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ーー今回はインドプリントのパッチワークも展開しています。数あるテキスタイルの中からインドプリントのどこに惹かれるのか、教えてください。

プリントはほぼオリジナルでつくることが多いので、自分では考えつかないものが見つかるのがおもしろいんですよね。僕が可愛いと思う素朴なデザインは昔のものだったりするんですけど、日本の染料に関する法律が厳しくて使えないことも多くて。200くらいの柄から厳選したうえで、さらにパッチワークにしました。

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ーー今回のイベントでは陶芸家の増田光さんの作品も紹介します。増田さんのクリエーションのどこがお好きですか?

そもそも丸山邸(編注:東京・青山にある<KEITA MARUYAMA>の旗艦店)を構想している時、洋服だけで世界観をつくるつもりはありませんでした。僕の思い描く人たちがどんな生活をしているのかを考えた時、器とかも並べたかったんですね。ある時、沖縄にある僕の好きなセレクトショップでご紹介されたのが光さんの作品で、一目惚れしたんです。それで丸山邸に光さんのアイテムを置きたくて、お付き合いが始まりました。

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彼女の作風は大胆でハッピーな感じなのに毒があって、そこがすごい好き。ぱっと見、ほっこりしている風に捉えられがちだけど、勢いもあったり。ふざけていると思いきや、とても繊細だったりとか。それにいろんなものにマッチする汎用性もあって、僕も愛用するアイテムが多いです。

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ーー最後に今回のイベントの見どころを教えてください。

今季のラインナップはもちろん、このイベント用にアーカイブを引っ張り出したものもつくっています。洋服以外のアイテムも揃えているので、見ていて楽しいと思います。5月19日には来店イベントもありますので、ぜひ遊びにきてください。お見立てもいたしますよ。


丸山敬太 PROFILE

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ファッションデザイナー

1994〜1995年秋冬東京コレクションにて<KEITA MARUYAMA TOKYO PARIS>としてデビュー。デビューから3年後の1998年春夏シーズンでパリコレクションデビュー。2012年に<KEITA MARUYAMA>にリブランディングする。自身のブランドのほか、25年以上に渡ってDREAMS COME TRUEのステージ衣装のデザイン、JALグループ客室乗務員・地上接客部門の制服デザインを手がけるなど、活動は多岐に及ぶ。

取材・文/津島千佳


☆ EVENT ☆

デザイナーの丸山敬太さんが来場します。
■5月19日(土)午後2時~5時


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